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TIGERs Mannheim - 競合チーム分析

最終更新: 2025年6月22日(JapanOpen2025後)
分析対象: TIGERs Mannheim SSL チーム
参考資料: Team Description Papers (TDP) 2018-2023

TDP2023

https://tdp.roboteamtwente.nl/tdps/144?ref=year

軌道生成

ゴールキーパーのような、ゴール地点で速度ゼロにならなくても場所と時間さえあっていればOKというケースに対応して有効守備範囲を広げている。

TDP2022

https://tdp.roboteamtwente.nl/tdps/241?ref=year

ハードウェアアップデート

  • ドリブラのダンパ
  • 自分のマーカーを読み取るシステム

ビルトインなシミュレータについて

  • grSimは低レイヤー制御も含むので、AIの検証用に理想的な動作をするシミュレータを作った(2013~)
  • 基本的に2Dだが、チップキックだけは3D対応
  • デバッグが簡単
    • ステップ実行可能
    • 状況を巻き戻して再実行も可能
  • シミュレータの比較
    • grSim
    • ER-Forceのもの
  • シミュレータを使ったテストも簡単に作れる

攻撃用ドリブル

  • 2021年大会の優勝で大きな役割を果たした
  • ペナルティエリアの平行線上でサンプリングして評価
  • サンプリングする点はドリブル最大距離まで
  • ゴール可能な最近傍点を選んでそこまでドリブルする

視覚化

データの記録

  • 1試合のログは数GB
    • 圧縮したら数百MB
  • ログ再生機でコピーしたらロボット・フィールド状態がjson形式でクリップボードに
  • シミュレータ上でペーストすると状態が再現される

テスト

シミュレータを組み込んでのテスト

  • パスカット
  • リダイレクトシュート

ルールのテスト

  • 対戦相手なしでFORCE_START:10s以内にゴールできるか
  • KICKOFF: 11s以内にロボットが動き出すか?
  • PENALTY: ロボットが動き出し、30s以内にゴールしてHALTになるか外してBallPlacementになっているか?
  • FORCESTART: ボールが蹴られて動き出すか?
  • Pass: ロボットが時間内に目的地に到着するか?
  • STOP: STOP中にロボットが最大速度を超えて移動していないか?禁止エリアに入らないか?
  • BallPlacement: 時間以内に成功するか?
  • KICKOFF: 相手無しで11s以内にゴールできるか?
  • INDIRECT FREE: 6s以内にロボットが移動するか?

TDP2020

https://tdp.roboteamtwente.nl/tdps/89?ref=year

ハードウェア v2020(Gen5)

  • 前のバージョンはv2019
  • メカ中心のアップデートで回路はほぼ同じ

車輪のアップデート

img.png

  • v2019の車輪
    • 3Dプリント PLA製
    • 直径33mm
      • かなり小さいが、車輪が90°間隔で配置できる
    • チームフィールドでは問題なかった
    • シドニー大会で壊れまくった
      • 毛深いカーペットと塗装されたラインが原因
      • ホイールカバーが壊れてサブホイールが定期的に欠落する
        • サブホイールが欠落するとホイールベースがカーペットに接触して摩擦で溶け始める
          • PLAは60℃で溶ける
  • v2020の車輪
    • アルミ製ホイール
    • 直径62mm
      • 安価に製造するように変更した結果、大きくなった
      • v2019をアルミで削り出すと高価
      • 90°間隔で配置できない
    • ダイレクトドライブで駆動
    • サブホイール
      • サブホイールは20個
      • Xリング
        • 設置点が2箇所でスムーズな動きにつながる
        • 摩擦もOリングより優れる
        • v2016の車輪にも使っていたが、ベアリング部分も摩耗でガタがでて結果的に振動が大きくなった
          • 今回はしっかりベアリングを使って対策した

キッカーのアップデート

  • ダンパはTPUの3Dプリンタ製
  • プランジャはスチールとアルミの組み合わせ

ドリブラのアップデート

  • IRセンサアレイ搭載
  • モーターの変更
    • v2019: 高速で小型なモーターを減速
      • すごいうるさかった
    • v2020: 減速なしで55W定格17000rpmのモーターを短期過負荷モードで使用

カバー

  • PETG製 1.2mm厚
    • 色々な素材を試したが、PETGが最もよかった
    • 適度に柔軟性を持ち、衝撃吸収できる
  • 接着剤を塗布している
    • カバーが破損しても接着剤で保持される(ガラスフィルムみたいな感じ?)

TDP2019

ロボットのアップデート

v2016からv2019までのアップデート

  • モーターが50Wから70Wに
  • エンコーダが光学式から磁気式に
  • ホイールを32%小型化
    • これにより、ホイールを90°間隔で配置できるようになった
  • カメラ3台
    • 視覚オドメトリ用上方カメラ2台
    • ドリブル用下方カメラ1台
  • SBCはJetson TX2かラズパイ3を切り替えられる

経路計画

前提

ここに書いてあることはTDP2016が詳しい

  • 速度ではなく、目標位置を送信している
  • Vision情報はロボットに転送されている
  • 回避は、最終目的地よりも優先度の高い、中間目的地を設定することで実現している
  • ロボット内でスキルを実行している?(100Hzで更新)

アルゴリズムの概要

  1. 目的地までの暫定経路を生成
  2. 衝突チェック(なければ終了)
  3. 適当な経路を複数生成
  4. 生成した経路を評価して、ペナルティが最も小さい経路を選択
  5. 中間目的地を使った経路も生成して評価
  6. 基本敵には中間目的地を使った経路を選択。ペナルティが大幅に小さくなる場合は、4.で選択した経路を選択

中間目的地の生成方法

経路計画時の障害物回避のため、以下の方法で中間目的地を生成:

  • フィールド分割: フィールドをグリッド状に分割し、各セルの通行可能性を評価
  • A*探索: グリッドベースのA*アルゴリズムで最適経路を探索
  • スムージング: 生成された経路を曲線補間で滑らかにする
  • 動的更新: ロボット・ボール位置の変化に応じてリアルタイム再計算

ペナルティの計算方法

経路評価のペナルティ関数は以下の要素を考慮:

  • 距離ペナルティ: 目標地点からの距離に比例
  • 障害物ペナルティ: ロボット・ボールとの近接距離に反比例
  • 速度ペナルティ: 急激な方向転換や加減速に対するペナルティ
  • ルールペナルティ: ペナルティエリア侵入等のルール違反リスク

パスターゲットの評価の改良

従来、パスターゲットの評価値は一つしかなかったが、いかに分割した。

  • リダイレクトシュートできる確率(Redirect Goal Shot Score)
  • パスをが通る確率(Pass Score)

リダイレクトシュートできる確率

リダイレクト角度スコア

  • リダイレクト角度が最重要視される
  • 45°以下ではでスコアが飽和
  • 最大角度(設定値)を超えるとスコアが0になる
  • 45°~最大角度の範囲で線形にスコアが減少

距離スコア

  • 遠いほどスコアが低くなる
  • 一定距離を超えるとスコアが0になる

距離が遠いほど精度が低下するため、以下の要素で総合評価:

  • 基本距離スコア: 至適距離での最高スコア、遠距離で線形減少
  • 角度補正: パス角度とゴール角度の関係性を考慮
  • 障害物影響: 敵ロボットによる遮蔽率を反映した減点

TDP2018

ドリブラのアップデート

ドリブラの自由度を増やして、ボールの衝撃吸収とボールのドリブル性能の両立を図った。

AOffensiveActionMoves

  • ForcedPass
  • DirectKick
  • ClearingKick
  • StandardPass
  • LowChanceKickGoToOtherHalf
  • KickInsBlue
  • RedirectGoalShot
  • RedirectPass
  • Receive